パスケースオーダー 試作用の型紙作成 

現在、定期入れの御注文品を作っています。
パスケースに限らずオーダーで作製する場合には、御依頼主の使用されている環境や収納する物の種類や形状、その大きさと量、等々の情報が大切になります。

今回の製作は定期入れですから、定期の種類や収納枚数、使われるときの手の動きや改札での使用状況など、細かく検証し仕様を決めていきます。
フルオーダーの場合はとくに、この検証と打ち合わせがあってこそ、市販品とは異なる自分専用の使いやすいカタチに仕上がる可能性が高くなるので、お電話やメールでの打ち合わせ・ご相談はとても大切な工程です。
製作の前段階というより、製作そのものの第一段階といえるでしょう。

一般的に「定期入れ」の印象といえば、革製品の中では小さなものとうけとめられていることと思います。
ですが、その使用頻度や重要性からすれば最も身近で大切な革製品であるにもかかわらず、機能や収納枚数などで本当に気に入ったうえで使われている方は少ないのではないでしょうか。
その方ごとに使われる環境や収納枚数も異なるわけですから、どうしても市販品では最大公約数的な物が多くなるのも仕方のないところです。

定期券には、感応式のICカード型と自動改札に通すタイプでは大きさや厚みが異なりますし、切符などの乗車券もいくつもの大きさがありますから、収納する可能性のあるもの同士を組み合わせた時に上手く機能するよう設計する必要があります。

そういう意味では、クレジットカードのサイズをもとにした一般的な「カードケース」を作るよりも、「定期入れ」(パスケース)ではカードや定期券/乗車券個々のサイズの違いと、使用する状況とのバランスを考えた数値出しと構造が余計に必要になるともいえると思います。

そこで、まずは試作用のパターンメーキング(型紙製作)。
上の画像は、御相談のなかでわかってきた仕様要件とデザイン(カタチ)を考えながらミリ単位で数値を決めているところです。

頭の中も机上も雑然としているのですが、実線を引いたり革を触りながら資料を脳内シャッフルして「あーでもない。こーでもない」を繰り返していきますと、少しづつカタチがが見えて参ります。
当方の場合、その場での検証による意匠決定と数値出しもしますが、それに加えて今まで作ってきた同ジャンルのアイテムや習作等のサンプルや資料も引っ張り出してきまして、再度修正点等ないか計算/検討のうえ、紙の上にパターンとして嵌めこんでいきます。

勿論、作図はCADではなく手書き。
製図用の細いシャープペンシル、もしくは削りこみ尖らせた硬めの鉛筆をつかい、方眼紙に線を入れる作業は気持ちのよいものです。

 

Λ.サーバーを引っ越してSSL化後、はじめての投稿でした。
やっとこちらを運用できまっす。

こちらの新ブログのほうも、よろしくお願い致します。

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